【第4章−1】-大学生- 大学生活が入学と同時に終わった

「この後みんなでボウリング行かねー?」

顔合わせのオリエンテーションが終わった直後、
講義室で同期がそう呼びかけたとき、
一瞬頭がクラっとしてわずかに吐き気を催した。

この目眩が、
この先確実に押し寄せる虚無に対する辟易によるものだと気づくのに
数秒と要らなかった。

目眩でクラクラする中、
同時に"大学"からの強かな裏切りを認めた。

大学生を夢見ていた。

気怠げに講義をいなすふりをしながら
持ち前の勤勉さでもって教養を血肉に変え、
同じ志を持った仲間同士で
無限に広がる将来を自由に夢想し、
日々の中でアイデンティティを徐々に確立し、
預かった使命のもと、社会へと羽ばたいていく。
その過程を余すところなく満喫する大学生を。

しかしそこに大学生は一人としていなかった。
巨大すぎた買いかぶりを差し引いたとしても、
少なくとも、志を持つ者もいなければ
いずれ仲間と呼べるが出てくるとも思えなかった。

そこに集まっていたのは、
モラトリアムを可能な限り長く享受しようとたくらみ、
また一方で、
終わりに向かって淡々と歩を進めることに
何の躊躇いもなく
無抵抗に受け入れる人たちだった。

ここまで書いておいて何なんだけど、
まあ、平たく言うと
大学デビュー特有のウェイウェイした感じが
入学の時点でもう無理だったというわけだ。

それだけの話だ。

たったこれだけのことが
僕の兼ねてからの野望と幻想を一瞬にして打ち砕き、
これから過ごす4年間を
無意味なものに変えてしまった。

現在と卒業証書との間に横たわる4年間を
永遠のように感じた。

 

「俺の大学生活は終わった。」

 

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